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精神科の薬はクセになるか? (2)

患者さんを診察して、うつ病の診断が付いた場合、今ならば多くの精神科医がSSRI(選択的セロトニン再取込阻害薬)かSNRI(選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取込阻害薬)を第一選択治療薬として用いるでしょう。

具体的な薬剤名としては、ルボックス(=デプロメール)かパキシル、ジェイゾロフト、トレドミンといった抗うつ薬です。

うつ病の治療に抗うつ薬を用いるのはよいとして、処方箋に抗うつ薬の名前だけが記載されることは稀です。

どうやら精神科医に限らず、日本の医者は欧米に比べて同じ疾患に対する処方薬剤の数が多いようです。

これは、例えば、感冒(いわゆる風邪)の患者さんの薬物療法を組み立てるに当たって、熱発に対して解熱剤、咳嗽に対して咳止め、鼻汁に対して抗ヒスタミン薬……といったように、病気全体ではなく、個々の症状を各個撃破するかのような思想で薬を処方するからだと言われています(ちなみに欧米ではそもそもただの風邪ならば薬物が投与されないこともあるそうです)。

うつ病の場合も、不眠に対して睡眠薬、不安感に対して抗不安薬、といった、対症療法的な処方が加えられるのが一般的なのではないかと思われます。

今日もっとも一般的に用いられている睡眠薬や抗不安薬(精神安定剤)のほとんどは、化学的にはベンゾジアゼピン系という同じクラスに属していて、薬理学的な性質や、脳内での作用箇所も似通っています。

抗うつ薬も急な服薬中断で離脱症状が生じますから広い意味で依存性があるといえますが、臨床的により高頻度に問題になるのはやはりベンゾジアゼピン系薬物の依存です。

ところが意外にも、睡眠薬や抗不安薬の依存性は、患者さんのみならず、処方をする側の医師にも正しくは理解されていないことが多いのが現状です。


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コメント (1)

yoshito:

今、睡眠薬に抗精神薬と抗不安薬を半年以上服用しています。
症状が安定してきたので、そろそろ減薬していければな
と思っています。
対症だと投薬がほぼ第一選択になって、後の依存症のことに
ついてははじめの段階ではあまり説明がなされていないと
思います。
先生のブログは本当に参考になります

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2006年11月29日 17:38に投稿されたエントリーのページです。

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