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患者さんが自分の紹介状(診療情報提供書)を読んでよいか? (3)

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さて,これまであまり気にしたことがなかった紹介状(診療情報提供書)の法的位置づけですが,どうやらこれは「信書」もしくは「私文書」ということになるようです(もし違っていたらご指摘下さい)。
一応ソースは「ほその司法書士事務所無料法律・登記相談」と「病院を転院する際の紹介状について - Yahoo!知恵袋」です。

これを単純に解釈すると,紹介先の医師に渡す前に,紹介元の医師が作成した診療情報提供書を患者さんが読んでしまうのはマナー違反どころか違法行為にもなりかねないということになります。

また,患者さんが紹介状を読むことによって紹介元――つまり紹介状を作成した側の医師とトラブルになることが精神科領域では稀ならずあります。
seisinka_sumoという精神科のドクターが,運営されている「精神科と大相撲といろいろ」というブログの「捨て台詞。」という記事で,典型的なエピソードを紹介なさっています。
依存症や人格障害圏の患者さんがらみではしばしばこうした問題が生じますし,やはり医者の側としても愉快な経験ではありません(かといって,こういった患者さんだからこそ正確な情報を紹介先に伝える必要があるので,いい加減な内容で済ますわけにもいきません)。

この文脈で考えると,鹿太郎さんに対して癇癪を起こしたドクターの「マナー違反だ」という主張の部分だけは間違ってはいないことになります。
もっとも,そこまでヒステリックな態度をとることは社会通念上問題があると思いますし,それを理由に診察を拒否したのは応召義務違反に当たりそうですが。

では絶対に患者さんは自分に関して書かれた紹介状の内容を知ることができないのかというと全然そんなことはなさそうだ,というところにこの問題の複雑さがあります。

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2007年12月28日 06:40に投稿されたエントリーのページです。

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