睡眠薬と安定剤の正しい止め方 (21)
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安定剤の減量方法ですが,これまた感覚的に,私ならデパス(エチゾラム)から減らしていきます。過去にデパスの自己断薬でベンゾジアゼピンの離脱症状を起こしたことがあるので,あるいは患者さんが尻込みするかもしれませんが,これについては患者さんが減薬のモチベーションを保てるような説明をして受け入れていただくしかないでしょう。
ソラナックスではなくデパスの減量を先行させることに敢えて理由付けをするのであれば,臨床的にデパスの減量がいちばん難しいような印象を持っているからです(エビデンスはありません)。
先にソラナックスを減量・中止して,安定剤がデパスだけになってからデパスの減量を開始するよりは,ソラナックスがベースにある状態でデパスを減量するほうが,なんとなく安心だというだけです。
患者さんがデパスの減量に強い不安を表出するようならソラナックスから減量にとりかかってもかまいません。
減薬に対する不安が強いと,それが呼び水になってパニック発作が起こることがありえます。その場合,ベンゾジアゼピン減量の再チャレンジはかなり難しいものになるでしょう。
減薬に対する不安でパニック発作が起こりやすくなり→その状態で減薬を行うと案の定パニック発作が起こり→ベンゾジアゼピンの量を元に戻したものの,患者さんの減薬への不安はより強まる→減薬の再チャレンジでまたパニック発作……という悪循環は絶対に避けなければなりません。
ベンゾジアゼピンの離脱は成功し続けなければならないのです。
このため,私の場合,減量幅や,減量にかける期間はかなり保守的に見積もります。
この患者さんの処方ならば,デパスの減量開始に際して,私ならば処方箋を書き換えることはしません。