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2010年03月 アーカイブ

2010年03月31日

さかきさんのご質問に対する回答②

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さかきさんの不眠が精神医学的な基礎疾患を伴わないものであるという仮定でお話をします。

私がさかきさんの主治医であったとしたら、(最初からデパスを処方しないであろうと思いますが)、さかきさんがデパスを止めたいと希望されたら、ただちにデパスの処方を中止します。

代わりに何か他の薬を処方するということもしません。

そもそも薬物を必要とするような不眠であったかどうかが疑わしいところですし、1日量0.5mgのデパスを3ヶ月飲んだからといって依存が生じている可能性はきわめて低いからです。

薬を止めて、「しばらく様子を見てください」と告げて、2週間後くらいに来院していただくことになるでしょう。

ここからはさかきさん個人の問題ではなく、一般論として話を進めます。

上記のような対応をした場合、患者さんの反応はいくつかの典型的なパターンに分かれます。
「はい、わかりました」と納得される方は稀で、大多数の患者さんが、不満や不安を表出します。

それを撥ねつけて(私が実臨床でそれをやることはまずありませんが)帰宅させた場合、経験的には、半数の患者さんは2週間後に来院しません。

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さかきさんのご質問に対する回答➂:睡眠薬の精神依存

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「睡眠薬とりわけbenzodiazepine系睡眠薬は、精神科臨床のみならず一般科においても処方される頻度が最も高い向精神薬の1つである。睡眠薬の乱用・依存問題は、現在の薬物関連問題の中で突出してはいないものの、歴史と広がりをもっている。精神科臨床における睡眠薬関連症例は、薬物関連精神障害の10%程度を占め、抗不安薬等の併用率が高く,75%以上が依存症候群の診断を満たしている。睡眠薬の長期使用は、軽度とはいえない精神依存、身体依存をもたらし、比較的速やかに依存に至ることが示唆される」(尾崎茂、和田清.睡眠薬乱用・依存の実態と対策.臨床精神薬理 9巻10号

ここで述べられているのは、精神安定剤や睡眠薬といったベンゾジアゼピン系薬物に対する依存には、身体依存と精神依存とがあるということです。

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