応援クリックよろしくお願いします→メンタルヘルスブログランキング 現在471位
「睡眠薬とりわけbenzodiazepine系睡眠薬は、精神科臨床のみならず一般科においても処方される頻度が最も高い向精神薬の1つである。睡眠薬の乱用・依存問題は、現在の薬物関連問題の中で突出してはいないものの、歴史と広がりをもっている。精神科臨床における睡眠薬関連症例は、薬物関連精神障害の10%程度を占め、抗不安薬等の併用率が高く,75%以上が依存症候群の診断を満たしている。睡眠薬の長期使用は、軽度とはいえない精神依存、身体依存をもたらし、比較的速やかに依存に至ることが示唆される」(尾崎茂、和田清.睡眠薬乱用・依存の実態と対策.臨床精神薬理 9巻10号)
ここで述べられているのは、精神安定剤や睡眠薬といったベンゾジアゼピン系薬物に対する依存には、身体依存と精神依存とがあるということです。
「睡眠薬とりわけbenzodiazepine系睡眠薬は、精神科臨床のみならず一般科においても処方される頻度が最も高い向精神薬の1つである。睡眠薬の乱用・依存問題は、現在の薬物関連問題の中で突出してはいないものの、歴史と広がりをもっている。精神科臨床における睡眠薬関連症例は、薬物関連精神障害の10%程度を占め、抗不安薬等の併用率が高く,75%以上が依存症候群の診断を満たしている。睡眠薬の長期使用は、軽度とはいえない精神依存、身体依存をもたらし、比較的速やかに依存に至ることが示唆される」(尾崎茂、和田清.睡眠薬乱用・依存の実態と対策.臨床精神薬理 9巻10号)
ここで述べられているのは、精神安定剤や睡眠薬といったベンゾジアゼピン系薬物に対する依存には、身体依存と精神依存とがあるということです。
私がここまでこのブログで言及してきたベンゾジアゼピン依存は主に身体依存で、これはある種の薬物が連続投与されたことで生じた脳の微細な器質的変化に伴う現象で、語弊があるかもしれませんが、「真の依存」と呼ぶことができます。
一方、精神依存は、今のところは患者さんの「気の持ちよう」と言えなくもない側面があります(将来的には精神依存の生物学的基盤がみつかるかもしれませんが)。
端的な例としては、軽症または治りがけのパニック障害患者さんで、「お守り代わりに」と主治医に言われて安定剤を1錠バッグの中に入れて電車に乗ると、実際には安定剤は使用しないのだけれど、なんとなく安心感があって発作が起きない、という方は少なくないのではないでしょうか。
これは精神依存を治療的に用いた例と言えます。
睡眠薬でも同じようなことは起こりえます。
さかきさんが少量のデパスを止められない理由のすべてが精神依存で説明できるとは思いませんが(たとえば、デパスを分解する肝酵素の発現が少ないためにデパスの作用・副作用が強く現れてしまう、いわゆるpoor responderである可能性もあります)、さかきさんが睡眠薬をやめるにあたってはご本人も主治医も、念頭に置いておかなければならないファクターのひとつではあります。
精神安定剤や睡眠薬を減量・中止する際には、主治医は薬の薬理学的側面だけではなく、それに伴う患者さんの精神力動を理解してテーラーメイドの減量計画を立てる必要がありますし、患者さんの側にも、正しい意味での「心構え」が必要になると言えるでしょう。
>>>「メンタルクリニック.net」トップページへ