さて、心療内科についてです。
この「精神科と神経科と神経内科と心療内科」と題した一連の記事は,実は精神科と心療内科の違いを理解していただくことをそもそもの目的としています。
実は,精神科と心療内科の区別はきわめて明白で,本来は混乱が起きるはずなど無いほどです。
心療内科は1963年に日本で生まれた診療科です。
発祥は九州大学。本家本元であるその九州大学病院心療内科のサイトには,心療内科の歴史や定義が明記されています。
肝と思われる部分を引用してみましょう。
心療内科では,「心身症」という病態(病状)を示す患者さんに対して,心身医学的なアプローチ〈心身医学療法〉を行っています.
心身症がどういう病気かは,“心身医学の新しい診療指針”(日本心身医学会教育研修委員会編,1991年)において決められています.それをわかりやすく言い換えると,「身体の病気の中で,発症やその後の経過に心理社会的な要因が密接に関係しているものを心身症といいます.ただし,神経症やうつ病などの病気は心身症とは呼びません」,となります.
すなわち,そもそもの定義からして,神経症(≒現在で言うところの不安障害)やうつ病の患者さんが心療内科で治療を受けるのは間違いであるということになります。