「ヘリコバクター・ピロリ菌の発見と胃炎や胃かいようにおける役割の解明」という業績に対して2005年,ノーベル生理学・医学賞が贈られました。
幽霊の正体見たり……ではありませんが,長年に渡って治療不可能と思われていた病態や疾患の原因が,ある日突然,もしくは地道な研究活動の結果,明らかにされることは少なくありません。
精神科の世界においてすら,「心因」がかつてほどは幅を利かせられなくなっています。
もちろん患者さんの心理的な問題をないがしろにすべきではありませんが,患者さんのココロを「診断のゴミ箱」にしてしまうのはもってのほかです。
一般科の医師も精神科医も(この分け方自体がそもそもおかしいのですが),人体に対する真摯さと検挙さをもって日々研鑽を重ねるべきでしょう。
(この項終わり)