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睡眠薬と安定剤の正しい止め方 (6)

恐らくこれは製薬会社側の工夫なのでしょうが,人間の不安を抑制したり人間を眠らせたりするために,どれくらいの強さでベンゾジアゼピン受容体を塞げばよいかがわかっているので,ベンゾジアゼピン受容体への親和性が高い物質は開発段階で1錠当たりの含有量を少なめに,親和性が低い物質は含有量を多めに,調節した上で医薬品として上市されているわけです。

それでは,「睡眠薬と安定剤の正しい止め方 (2)」で述べた,ベンゾジアゼピンの常用量依存の定義に用いられている「ジアゼパム30mg」は,他の安定剤や睡眠薬に置き換えるとどれくらいの量に相当するのでしょうか。

ここで,「抗不安薬・睡眠薬の等価換算」という考え方を紹介しましょう。
出典は星和書店から発売されていた「向精神薬の等価換算」です。
名著だと思うのですが(古書にプレミアムがついているくらいです),なぜか現在は絶版になっています。

この本に,慶応大学の研究班が1999年に発表した抗不安薬・睡眠薬の等価換算表が載っています。この手の換算表はいくつかあるのですが,慶大版は臨床の感覚で見てもしっくりくるように思えます。

これによれば,ジアゼパム(商品名ではセルシン,ホリゾン他)5mgとデパス(一般名エチゾラム)1.5mgが等価とされています。
他の抗不安薬・睡眠薬では,ソラナックス(=コンスタン。一般名アルプラゾラム)0.8mg,ワイパックス(ロラゼパム)1.2mg,ロヒプノール(=サイレース。フルニトラゼパム)1mg,ハルシオン(トリアゾラム)0.25mg,マイスリー(ゾルピデム)10mgがジアゼパム5mgと等価です。

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コメント (5)

ぴよぴよ:

猫山先生、こんばんは。「デパス等抗不安薬を飲み続けていいのか・・・」の掲示板が昨日くらいから④に進みましたのでお知らせします。(http://community.pureness.co.jp/1/read.php?id=1828&ls=50)
猫山先生、今後とも宜しくお願いいたします。
私自身の最近の状況をご報告させていただきますと、ハルシオンの服用がほとんどなくなりました。これは主治医から「睡眠リズムを整えるように。お昼寝は1時間以内」なるご指導を受けて、頑張った成果です。
メイラックスについては相変わらず2mgを毎日服用しています。もう8ヶ月位になるかと思います。それ以前にデパスを2~3mgを8~9ヶ月位は服用していたので、相当ベンゾジアゼピンに依存してるのではないかという心配があります。最近はトレドミンを服用して調子が上向いてきたのに、またうつの波に襲われたりして、減薬のタイミングはどうしたら良いのか、悩んでいます。
猫山先生のプログは皆さん楽しみにしていますので、先生、無理のないようにどんどん進めてください。お願いします。

猫山先生、はじめまして、「常用量依存」の検索で
偶然たどり着きまして、ブログを拝見させていただいている
ゆうとと申します、よろしくお願いします。

 大変患者の立場に立った上での極めて学術的にも
文才的にも優れたブログの記事で、非常に勉強させて
頂きました。

 私自身はいわゆる社会不安障害の視線恐怖や自己視線
恐怖、難治性うつ病で現在BZ系を4種類、SSRIを2種類、
三環系を2種類と大変多数処方されていますが、先生の
ご記事を拝見するまではブルーバックス、しかも
1980~90年代くらいに書かれた薬についての本の
生半可な知識から、「BZ系は依存性も副作用も少なく
前向性健忘などの副作用を悪用するような乱用しなければ
問題がない」と何の疑問も持たずにもう15年ほど飲み
続けてきました。

 しかし、「常用量依存」という単語を耳にして、
「まさか。マスコミがおおげさに騒ぎ立てているだけ
だろう」と思い、検索で先生のブログにたどり着いて
記事を拝見して、ショックを受けました。もちろん、
実際的にはすぐ差し迫った極端に危険な問題ではなく
パニックに陥ることはないというのは分かるのですが、
自分の生半可な誤った知識を確信していたのがショックで
「生兵法は怪我の元」という言葉を痛感してしまいました。

 実のところ、常用量依存についての検索結果で先生の
ブログ以外にもいくつかのサイトを見てみたのですが、
先生のブログが最も患者の立場に立って分かりやすく、
かつ、よくあるような「患者には学術的なことを言っても
分からないから、あいまいに教えればいい」というような
内容ではなく、ちゃんとはっきりと学術的な内容を
分かりやすくお書きになられていて、とても患者の立場
としては嬉しく思います、ありがとうございます。

 個人的な問題で恐縮ですが、実は上記の処方されている
薬以外に、いわゆる個人輸入でNDRIのブプロピオンを
「再取り込み阻害薬には依存性などないさ」と中途半端な
薬学知識に基づいた思い込みで服用していたのですが、
正直自分の下手な薬学知識の幼稚さ加減にショックを
受けて、服用しても安全なのだろうかと非常に悩みます。

 ただ、今まで受診した精神科医が10人ほどいますが、
どの先生も薬学的知識がとてもあるとは思えない人ばかりで
例えば現在問題になっているリタリンをナルコレプシーでも
ないのに一日6錠など安易に出したり、ジェイゾロフトを
100mg出していたのを、セロトニン症候群の危険性が
あるのに、漸減ではなくいきなりゼロにしたり、
不眠を訴えたら、いきなりロヒプノールを4mgと
ベゲタミンAを2錠出したり、悪性症候群の危険性も
あるのに定期的どころか一回も血液検査でCK値を見もせずに
10種類近い薬を出したりと(というかどのクリニックも
血液検査をしませんでしたし、そもそも採血する道具を
備えていない始末でしたが)、などなど、「この医者は
本当に薬のことを分かっているのか」と恐怖感を覚える
ような医者ばかりで、不安感から文系で分かる程度の
ブルーバックスなどの新書や薬学の本を読んで勉強して
「自衛」していたつもりでした。

 正直なところ先生のブログを拝見して、「患者は正しい
医学薬学知識を出来る限り学ぶべきか、むしろ生兵法は
怪我の元でまったく無知の状態で専門家であるはずの医師に
すべてを任せるべきか」悩んでしまいました。

 猫山先生のような先生に診ていただけるなら、迷わず
すべてを任させて頂くのですが、今まで受診した精神科医や
受診していなくてもインターネット上で患者の方が
掲示板などで書かれているような「薬屋」のような医者達
を見ると、どうしても任せる気になれません。。。

 支離滅裂で長くなってしまいましたが、薬価・診療報酬
などからの経営問題から無責任に製薬会社の言うとおりに
薬を乱発した、20世紀中ではほとんどすべての精神科医、
また現在もいる少なからずいるそのような精神科医と
違って、猫山先生のような患者の立場に立ち、
かつ不断に正しい最新の医学薬学を会得されていらっしゃる
ような先生がいらっしゃって大変嬉しいです。先生の
ご活躍を影ながら応援しています、それではお体をお大事に
された上で頑張られて頂ければ幸いです。

PS
 もしよろしければ先生のブログを私のホームページと
ブログでリンクさせて頂いてもよろしいでしょうか?
ご許可頂ければ幸いです、それでは長文失礼しました。
 

匿名:

あ~!!
早くベンゾ断ちしたいです!
上手くやめる方法を教えて下さい!!
猫山先生の病院に通いたいです。

hup:

猫山先生、はじめまして。hupと申します。
抗不安薬の等価換算表は時々ネットで見かけるのですが、個人的に疑問があります。

主治医からは、抑うつ神経症と不安神経症との診断を戴いて、SNRIとレスタスと他にも薬はいただいていますが、レスタスについて疑問があります。
レスタスは1.67mgという換算値がどの表でものっているのですが、レスタスは、10日間のみ続けて、血中濃度が安定状態になるという他のBZ系とは異なるユニークな特性をもっているので、この換算表の根拠を一般的な事例として、わかればいいなという程度ですが投稿させて戴きます。
簡単にかけば、1回づつの投与の換算なのか、連続して投薬した場合の換算なのかわかれば良い程度ですが、ネットで調べてみる限りでは不明でしたので、よければ一般論としてお答えいただければ幸いです。

ちなみに、抗不安薬が個人個人によって、ききめ・ききかたが異なるのは、自分の身で体験しているので、本当に一般論でかまいません。

個人的な事情となると、デパスの小さい方で非常に精神的不良が発生(多分珍しいケースだと思います)してやめたり、レスタスは逆に現在1日3錠飲んでいるので、主治医は減らしたがっているのはわかっているのですが、一度2錠に減薬し、ソラナックス(個人的には副作用を感じない薬)を頓服から、0.4mg 1錠を朝と夕方で各1錠2回に分散して、さらに1錠頓服まで許可していただきましたが、換算表の上では、(常用だけなら)こっちの方が若干下程度ですが、不安感の増大が元でレスタス3錠にもどしたという経歴があります。

また、そのうち減薬に挑戦するとは思いますが、各種情報を集めて主治医と相談しながら実施する上で、まずは一般論としての知識を得たいと思っております。

長文でありますが、よろしければ、ご返答いただければ幸いです。

匿名:

抗不安薬・睡眠薬の等価換算についての質問なのですが
グリーンフォレストのHPによりますと
2007年の英国での値として
ザナックス(ソラナックス)0.5mgはセルシン10mgと
等価であると記述されており20倍の力価となります。

一方猫山先生のブログでは1999年の慶応大学の値として
ソラナックス 0.8mgがセルシン5mgと等価であるとのことでしてこの場合は6.25倍の力価になります。

欧米と日本の違いのようなのですが一体どうしてこのような差が出てくるのでしょうか?
置き換えをする場合の錠剤の量が全く異なるのでどちらを信じて良いのか分からず困っております。
よろしくお願い致します。

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2007年09月26日 20:05に投稿されたエントリーのページです。

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