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睡眠薬と安定剤の正しい止め方 (7)

今回は閑話休題……というか,本来予定していた順番とは異なる記事を書くことにします。

ベンゾジアゼピン系抗不安薬ならびに睡眠薬,それらにたいする常用量依存,その裏返しとしての離脱症状,それを防ぎつつ常用量依存から脱する方法といった知識への患者のみなさんのニーズは高いようで,このシリーズを始めてから拙ブログへのアクセス数は増え続けていて,いくつかの支持的なコメントもいただいています。

関心を寄せていただくことも,期待を抱いていただくことも嬉しいのですが,一方で,次第に私の筆が重くなっていくことも確かです。

このシリーズの結末が,多くの読者の方が恐らくは期待されているであろうものにはならないからです。
結論を申し上げるならば,ベンゾジアゼピン系薬物を服用されている全ての患者さんがその服薬を止められるわけではありません。

これには,
①原病(たとえばうつ病)の寛解率が100%ではないので,その部分症状である不安や苛々,不眠を和らげるために用いられるベンゾジアゼピンが止められない,という医学的必然性に基づいた「やむをえない」服薬継続と,
②原病はとっくに治っているにも関わらず,処方医に常用量依存の知識がないために漫然とベンゾジアゼピンの処方が続けられ,その服薬期間や累積服用量があまりにも多すぎて,これから「正しい方法」で離脱を試みても,到底服薬終了までは持ち込めないために,悲劇的な意味で服薬を継続しなければならないといった2つのパターンがあります

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コメント (1)

匿名:

>②原病はとっくに治っているにも関わらず,処方医に常用量依存の知識がないために漫然とベンゾジアゼピンの処方が続けられ,その服薬期間や累積服用量があまりにも多すぎて,これから「正しい方法」で離脱を試みても,到底服薬終了までは持ち込めないために,悲劇的な意味で服薬を継続しなければならない

こちらについては、具体的な服用期間と服用量を目安でいいので教えていただけませんか。
どの程度が「あまりにも多すぎて」なのかを。。
また、「悲劇的な意味で服薬を継続」せざるをえない場合は一生飲み続けても体に害はないのでしょうか。

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2007年09月30日 18:24に投稿されたエントリーのページです。

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