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睡眠薬と安定剤の正しい止め方 (8)

「睡眠薬と安定剤の正しい止め方」は存在します。
本来的にはそれは,「睡眠薬と安定剤の正しい使い方」と同義であるはずです。適切にベンゾジアゼピンを選び,期間や用量を限定して用いれば,そもそも依存は生じません。

前述したように,うつ病や躁うつ病,統合失調症といった疾患では,一定の割合で「難治例」と称される患者さんがおられ,抗うつ薬や気分安定薬,抗精神病薬といった,それぞれの疾患の本来的な治療薬や精神療法を用いても症状が改善しないために,対症療法であるベンゾジアゼピン系薬物を使用し続けざるをえない場合はあります。

原病が寛解する患者さんで,しかしベンゾジアゼピンの依存が生じてしまう方も,残念ながら存在します。
このシリーズで取り上げるのは,そうした患者さんを対象とした狭義の「睡眠薬と安定剤の正しい止め方」になります。

しかしながらそうした,「医原性で」,「不必要な」常用量依存(臨床用量依存)でも,あまりに長期に渡って持続すると,離脱はきわめて困難になります。

ベンゾジアゼピンの離脱法(止め方)については欧米でいくつかのガイダンスがありますが,これらをそのまま日本の実情に持ち込んでもまず使い物になりません。
欧米の患者さんに見られる常用量依存と,わが国のそれとは,用量や使用期間が桁が1つもしくはそれ以上違っているからです。

そのあたりを理解していただくためにも,次回以降,まずは欧米と日本とのベンゾジアゼピンの使用実態の違いについて述べていこうと思います。

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コメント (1)

匿名:

ワイパックス1~2ミリ/dayを6年、メイラックス1ミリ/dayを1年半続けている者ですが、更新が待ちきれません。。
期待しております!!

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2007年09月30日 21:23に投稿されたエントリーのページです。

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