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患者さんが自分の紹介状(診療情報提供書)を読んでよいか? (5)

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しかし一方で,前記事で首記したように,日本医師会が発表した「診療情報の提供に関する指針」は医療機関から患者さんに診療記録を開示する場合の指針です。

詳細はリンクしたサイトをお読みいただくとして(苦行ですが),まず「3-3 診療記録等の開示による情報提供」に「医師および医療施設の管理者は、患者が自己の診療録、その他の診療記録等の閲覧、謄写を求めた場合には、原則としてこれに応ずるものとする」と記載されています。
つまり,医療機関側は,患者さんに求められれば診療記録等を患者さんにお見せしなければならないということです。

但し,要求されたらその場でただちに開示しなければならないというわけではありません。


3-5 診療記録等の開示を求める手続き
a 診療記録等の開示を求めようとする者は、各医療施設が定めた方式にしたがって、医療施設の管理者に対して申し立てる。

3-7 医療施設における手続き規定の整備
医療施設の管理者は、診療記録等の開示請求、実施、費用請求等に関する規定および申し立て書等の書式を整備する。


という記載から判断すると,医療機関側が,開示のための書類を用意し,患者さん側はそれに必要事項を記入して提出する形で診療記録等の開示が行われることになります。

ではさて,紹介状(診療情報提供書)は,この指針の文脈ではどのような扱いになるのでしょうか。

診療情報の提供に関する指針」には開示すべき「診療記録等」の定義も明示されていて,「診療録、手術記録、麻酔記録、各種検査記録、検査成績表、エックス線写真、助産録、看護記録、その他、診療の過程で患者の身体状況、病状等について作成、記録された書面、画像等の一切」となっています。
紹介状(診療情報提供書)については記載がありませんが,「診療の過程で患者の身体状況、病状等について作成、記録された書面」には含まれるような気がしますね。

実は医師会とは別に,厚生労働省でも類似の議論が行われていて,平成15年6月10日に発表されている「『診療に関する情報提供等の在り方に関する検討会』報告書」では,「『診療記録」とは、診療録、処方せん、手術記録、看護記録、検査所見記録、エックス線写真、紹介状、退院した患者に係る入院期間中の診療経過の要約その他の診療の過程で患者の身体状況、病状、治療等について作成、記録又は保存された書類、画像等の記録をいう」と,紹介状は「診療記録」に含まれることが明確に定義されています。

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コメント (1)

ぴよぴよ :

猫山先生、あけましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願いします。

今年は絶対にメンタル病を卒業できるように頑張ります。

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2007年12月31日 10:10に投稿されたエントリーのページです。

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