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2008年03月 アーカイブ

2008年03月13日

睡眠薬と安定剤の正しい止め方 (18)

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「これらに共通しての多くの人の心配は依存性である。処方量を守り、生活を整えていく限り、問題はないので安心して欲しい。『睡眠薬は依存性があるが安定剤なら安心だ』という話も間違いである。どちらも処方量を守っていれば問題はない。一方、イソミタール、ブロバリン、市販のドリエルなどは依存性が心配なら控えた方がよいだろう。われわれは専門の立場で、依存性については心配ない、自然にやめられると自信を持って言えるが、なかには『わたしは信じない』と言う人もいる。しかしそれでも医者に来るのはなぜだろうか。何とか解決したくて医者を訪れるのだと思う。噂を信じているのだとしたら、エビデンスがある。漠然と不安になっているのだとしたら、これもエビデンスを信じてもらいたい」

引用が長くなりましたが,新橋心療内科という実在する心療内科クリニックのサイトからのコピー&ペーストです。
このクリニックを運営し,この文章を書かれたのであろうドクターを個人攻撃するつもりはありませんが,やはりこの文章は患者さんに誤解を与えかねない表現を含んでいると言わざるをえないでしょう。

エビデンスということならば,昨今は常用量依存(低用量依存)に関するエビデンスが多く示されています。つまり「処方量を守っていれば問題はない」とは言えないというのが最新の知見なのです。

一方で,市販薬のドリエルは抗ヒスタミン薬なので依存性の心配は大きくはないと思います。少なくとも処方薬であるベンゾジアゼピンよりも依存性が強いというエビデンスは無いと思います。

専門家を自認する心療内科医のドクターですらベンゾジアゼピンの常用量依存(低用量依存)に関する理解はこのようなものなので,わが国の精神科薬物療法がこのようなものであるのも致し方ないのかもしれません。

話が逸れましたが,このドクターが述べている「イソミタールは依存性が心配なら控えた方がよいだろう」という部分は確かにその通りです。

このイソミタールが,現在も臨床使用されているバルビツール系薬物の中ではもっとも頻用されているもののひとつです。

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