端的に言ってしまえば，「マンガ お手軽躁うつ病講座High&Low」と「マンガ境界性人格障害&躁うつ病REMIX 日々奮闘している方々へ。マイペースで行こう!」におけるたなかみる氏の主治医の腕は日本の精神科医としては標準的なところでしょう。
典型的な経過をたどる躁うつ病（双極性障害）の診断は付けられるものの，この病気の治療方法のスタンダードは知らない――その程度の知識レベルでも，日本では平均点をとることができます。
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なにしろ，たんなるうつ病の適切な治療を出来る精神科医が25％しかいないというのが現状です。
うつ病よりも診断も治療も困難な躁うつ病（双極性障害）ともなれば，ちゃんと診られる精神科医は大雑把に言って全体の1割程度なのではないでしょうか。
私は，たなかみる氏の経過は，不幸にして，わが国における躁うつ病（双極性障害）患者さんたちがたどる典型的なものである可能性が高いと考えています。
典型的な経過をたどる躁うつ病（双極性障害）の診断は付けられるものの，この病気の治療方法のスタンダードは知らない――その程度の知識レベルでも，日本では平均点をとることができます。
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なにしろ，たんなるうつ病の適切な治療を出来る精神科医が25％しかいないというのが現状です。
うつ病よりも診断も治療も困難な躁うつ病（双極性障害）ともなれば，ちゃんと診られる精神科医は大雑把に言って全体の1割程度なのではないでしょうか。
私は，たなかみる氏の経過は，不幸にして，わが国における躁うつ病（双極性障害）患者さんたちがたどる典型的なものである可能性が高いと考えています。
すべての躁うつ病（双極性障害）に対して有効な治療法は残念ながらまだありませんが，それでも，現存の治療法を最適化する試みはなされており，それは意欲さえあればどんな精神科医でも学べるよう公開されています。それでもその最適な治療法が知れ渡っていないのは，ひとえに精神科医の不勉強の証であると言えるでしょう。
精神科医とは，それでもやっていける職種であるのです（右のコマの通りの診療が診療と呼べるでしょうか？ これなら調剤薬局に直行してもらえばいいような気がしますが）。
この主治医はたなか氏に境界性人格障害（ボーダーライン・パーソナリティ・ディスオーダー）が併存していると診断していますが――そして「マンガ境界性人格障害&躁うつ病REMIX 日々奮闘している方々へ。マイペースで行こう!」で描写されているたなか氏の生活歴から判断するかぎりではその診断は間違ってはいなさそうですが――正直なところ，誠に失礼ながら，この主治医に双極性障害と境界性人格障害の併存というデリケートな診断を下せる腕があるとは思えません。
>>>双極性障害（躁うつ病）の診断と治療 ―典型的な治療失敗例（疑）を通じて― (13)
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