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精神科薬物療法に対する猫山司のスタンス

またまたお久しぶりになってしまいました。
皆さんはいかがお過ごしでしょうか。私は携帯電話を肌身離さず所持しつつのお盆休み中です。

さて、最近、拙ブログのコメント欄でセカンドオピニオンを求められることが多くなってきたように感じています。
また、その内容に一定の傾向があるように思われるため、今後の無用な混乱を避けるために、精神科薬物療法に関する私のスタンスをここで改めて表明しておくことにします。

というのも、最近寄せられるご質問やご相談に、「薬をやめたいのだがどうしたらよいか」という趣旨のものが目立つように感じられるからです。
これまで私が拙ブログでベンゾジアゼピン系薬物や抗うつ薬の副作用や離脱症状について言及してきたからなのかもしれませんが、では私が実臨床でこれらの薬物を使用しないのかと言えばそんなことはありません。

むしろ私は、向精神薬を積極的に治療に用いるタイプの精神科医であると自認しています。
副作用が無い薬など存在しませんから、薬を使用することのメリットとデメリットのバランスを常に念頭に置いて置かなければなりませんが、少なくとも初期・急性期の治療における向精神薬の有用性に私は一片の疑いももっていません(将来的にはもっと有効で安全な治療法が現れる可能性は否定しませんが)。

ただ、薬剤の選択や使用量、使用期間について精神科医はもっと敏感になるべきであるというのが私の持論であり、拙ブログで表明してきた主張であるつもりです。

したがって、拙ブログに寄せられたご質問に対する回答も、「薬をいかにやめるか」ではなく、「薬の使用をいかに最適化していくか」という視点でお示ししていくことになると思います(薬の最適使用の中に「薬の中止」という選択肢も含まれます)。
時間の許す限りご質問にはお答えしていく所存ですが、この点はあらかじめご了承いただきたく、本エントリーを執筆することとしました。

今後とも何卒よろしくお願いいたします。


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コメント (1)

猫山さん、はじめまして。

地方の開業臨床心理士として、通院中のうつ病の方と数多くお会いしている者です。

薬について、お医者さんといかにコミュニケーションするかについての、クライエントさんからのご相談に頻繁に対応せざるを得ない立場にあります。

猫山さんがこのエントリーで敢えて、上記のような内容をお書きになるに至られた心境に、臨床心理士として僭越ではありますが、深く感じ入らせていただくものがありました。

このコメントのURLリンク先(固定リンクにしています)、猫山さんのこの記事をご紹介させていただき、私なりの感想と共に、私が日常的心理臨床の現場で、どこまで踏み込んで、クライエントさんに、精神医療との関わりについてアドバイスせざるを得なくなっているのかの現実を具体的に書いてみました。

ここまでやっているとなると、臨床心理士の分を踏み越えているというご叱正すら、一部のお医者様から出ざるを得ないかもしれないことを承知の上でやっている実践です。

ネット上でセカンドオピニオンにお答えになる活動がは、医師としてどれだけたいへんなことであるか、想像に難くありません。

どうか、ご無理のないバランスで活躍されることを、心よりお祈り申し上げております。

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2009年08月16日 20:40に投稿されたエントリーのページです。

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