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ジプレキサと体重増加・糖尿病 (2)

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現在日本で使用できる非定型抗精神病薬と括られる薬の中でも,ジプレキサ(olanzapine,オランザピン)で体重の増加や血糖・血中脂質(中性脂肪やコレステロール)上昇といった代謝系の副作用がもっとも強いことは,精神科医のほとんどが,そして何よりこの薬の投与を受けている患者さんが,実感されているところなのではないかと思います。

実際,この薬は発売されてから1年後には糖尿病を合併する患者さんに対する投与が禁忌になりました。

私は病院に出入りするイーライリリー社のMRに,この問題に対する同社のスタンスを何度か尋ねたことがあります。
端的に言うと,彼はジプレキサの「有罪」を一度も認めませんでした。

また,イーライリリー社が主催する講演会にも何度か顔を出しましたが,演者(多くの場合は同社が招聘した大学病院の教授や外国人医師でした)は,この問題に触れつつも,たくみにジプレキサの有効性に話題を向け,この薬によって患者さんが得られる利益が不利益を上回るというロジックを展開するのが常でした。

私が認識している限り,同社がジプレキサの代謝系副作用に対してとってきたスタンスは以下の2点に要約されます。

  1. 体重増加や血糖上昇はジプレキサだけで見られる問題ではなく,全ての抗精神病薬で認められる副作用である。よって,精神科医は,ジプレキサを処方した場合のみならず,統合失調症の治療を行う際はすべからく代謝系の副作用に敏感になるべきである。

  2. ジプレキサは陽性症状のみならず陰性症状や認知機能障害といった統合失調症の広範な症状を改善する。患者さんのQOLを高めるその画期的な有効性は,欠点を補って余りあるものである。

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2007年10月13日 19:07に投稿されたエントリーのページです。

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