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ジプレキサと体重増加・糖尿病 (3)

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パキシルの,メジャーでマイナーな副作用」でも指摘したように,こうしたやり方は製薬会社の常套手段になっています。

ジプレキサ体重の増加や血糖上昇が他の非定型抗精神病薬よりも多いことを示した研究は国内外で枚挙にいとまがありませんが,そうした指摘を,イーライリリー社は「ジプレキサと体重増加・糖尿病 (2)」で述べたような強弁で切り抜けようとしてきました(その試みは明らかに失敗していると思いますが)。
または,このようなやり方で,本来は不利なデータを,自分たちに有利な結論を導くために独特の解釈を加えてリリースしたりもしています。

CATIE試験のフェーズ2で判明
統合失調症患者の薬物治療を長続きさせる主要因は症状の改善度

- 副作用ゆえに脱落する患者は少数派 -

2006年4月12日:プレス発表資料
抗精神病薬「ジプレキサ」(一般名オランザピン)の効果は治験薬中トップクラス
>>>本文


ここで取り上げられているCATIE試験とは,米国立精神衛生研究所(NIMH)が主導した大規模研究で,非定型抗精神病薬の臨床的有用性を検証することを目的としています。
実はこの試験の結果においてもやはり,ジプレキサを投与された統合失調症患者さんでは,他の抗精神病薬を投与された患者さんに比べて,体重増加や血糖上昇,脂質上昇といった代謝性の副作用が多かったことが示されているのです。

イーライリリー社は,「しかしそういった副作用を理由にジプレキサを中止した患者は少なかった。だからやはりジプレキサの有効性が高く評価されるべきだ」と主張しているのです。

CATIE試験の概要については,自由人しんすけさんの「ARE U FUNNY BOYS & GIRLS ? 」というブログによくまとまった記事が載っていましたので是非ごらんになってみてください。試験主導者の考え方がイーライリリー社の主張とはまったく違ったものであることがおわかりになると思います。

>>>ジプレキサと体重増加・糖尿病 (4)


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コメント (1)

ぴよぴよ :

猫山先生、こんにちは。
「デパス等抗不安薬を飲み続けていいのか・・・」の掲示板が
ひと月も経たずに⑤になりましたので、ご連絡します。
(http://community.pureness.co.jp/1/read.php?id=1838&ls=50)
掲示板の方は最近、ウォーキング等の軽い運動、鍼灸、カイロ等の東洋医学等、生活改善、体質改善をして自律神経を良くしていこうという話で盛り上がったりしています。
掲示板の皆さんが病気やストレスに対して強い体になって、お薬から少しでも離れていければ・・・と思っています。
私の現在の状況ですが、ハルシオン、セディールは完全に断薬しました。次の目標は上限の2mgを服用してるメイラックスを少しでも減らしていきたいと思っております。
プログの方の「睡眠薬と安定剤の正しい止め方」が途中で止まっているので、早く先が読みたいと思っています。
先生もお忙しい中大変だと思いますが、宜しくお願いいたします。

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2007年10月17日 19:23に投稿されたエントリーのページです。

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