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睡眠薬と安定剤の正しい止め方 (13)

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不確定要素が多いと解が導き出せませんので,睡眠薬と安定剤の正しい止め方 (13)で例示した処方を受けている患者さんのプロフィールは以下のようなものだということにしましょう。

[症例] 24歳,男性
[診断] パニック障害
[病歴] コンピューター関係の営業職。大学卒業後より現職。就職から1ヶ月ほどたった2年前の6月頃から営業先で特に誘因無くパニック発作が出現するようになった。仕事上のストレスは自覚していなかった。次第に発作頻度が増すようになったため,近医(心療内科)を受診。パニック障害の診断でデパス 3mg/3×食後を処方された。
その後発作頻度は劇的に減り,仕事は普通に行えていた。服薬開始2ヵ月後に自己断薬したところ,強い不安と不眠が出現した。心療内科で相談したところ,ソラナックス 1.2mg/3×食後とハルシオン 0.25mg/1×寝前が追加された。
仕事が忙しかったため,以後は診察を受けずに薬だけを受け取りに行っていた。断薬時に不調を呈した経験から服薬を怠ったことはなかった。1年前からハルシオンを飲んだけでは眠れないようになったため久しぶりに受診したところロヒプノール 2mg/1×寝前が追加された。
以後,パニック発作,不眠ともに認められず,自覚的には副作用も感じていなかったが,次第に薬の種類が増えていくことに不安を感じ,会社の産業医に相談したところ,専門医でセカンドオピニオンを受けることを勧められ,大学病院の精神科を受診した。
この精神科での担当医は#1. パニック障害(寛解状態),#2. ベンゾジアゼピン依存,の診断を付し,現在通っている心療内科の治療方針が望ましいものではないとの見解を示した。
患者はこの大学病院での治療と服用薬の減量・中止を希望した。
新主治医はまずデパスを中止した。しばらくは問題なく経過していたが,デパス中止1ヵ月後に,特に誘因なくパニック発作が出現したため,新主治医はパニック発作が完全寛解には至っていないと判断し,デパスを再開した上でパキシルを開始し,40mg/日まで増量した。
その後パニック発作は認められず,半年が経過している。新主治医はベンゾジアゼピンの減量を提案し,患者本人もそれに同意している。

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コメント (1)

26歳女:

パキシルの離脱症状も相当きついわけですが・・・。
私はそれをワイパックスで凌いでいる状態です。

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2007年12月20日 20:12に投稿されたエントリーのページです。

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