パキシルの,メジャーでマイナーな副作用:補足
以前に書いた,「パキシルの,メジャーでマイナーな副作用 (1)」のコメント欄に,先日コロさんからご質問をいただきました。
個人的にも興味があったので少し調べてみたのですが,これはなかなかの難問のようです。
結論から申し上げると,私が調べたかぎりでは,パキシル(パロキセチン)によって生じた射精障害が,パキシル中止後どれくらいの期間で改善するかを確認した研究はないようです。
コロさんの場合,コメントでいただいた情報からすると,前後関係からしてパキシルによって射精障害が生じた可能性は高いと思います。
SSRIによる性機能障害は用量依存性であるようなので,中止ではなく減量でも射精障害が改善する可能性もありますが,パキシルが原疾患(うつ病なのでしょうか?)にものすごく有効であったということでもなければ,まあ私なら中止しますかね。
ただ判断が難しいのは,副作用は服用後まもなく発現する一方で,効果発現には数週間を要する点です。
パキシルを,どのくらいの用量,どれくらいの期間服用されたのかはわかりませんが,本当の意味でリスクとベネフィットを秤にかけられるのは十分量・十分期間を服用した後です。
しかし性機能障害の場合は耐性はほとんど生じない(飲んでいるうちに身体が慣れて自然解消するということがない)副作用なので,有効であっても中止,というのはありうる選択肢です。
パキシルは半減期が長く,向精神薬は一般的に脂溶性が高いので,身体から抜けるのには一定の時間を要します。
これには肝機能や体脂肪率が影響するので,個人差があって,一概にこれくらいという数字を示すのは難しいですね。
あまり役に立つアドバイスができなくて申し訳ありません。